ドルの雪解け 2009 4 11

 冬になれば、木々は枯れ、川までも枯れてしまう。
それでも、春になれば、木々に緑が戻り、水が動き出す。
小川には、小魚が遊び、水の流れは、まるで音楽のように軽快である。
大河には力強さが戻ってくる。まるで洪水が起きるかと思うほどである。
 そう、雪解けが始まったからだ。
山々に蓄えられた膨大な雪が解け出して、大河を作る。
 深刻な金融危機の影響で、金融市場では、ドルが枯れてしまった。
誰もが、金融市場という河川は、永久に枯れてしまうのではないかと思った。
FRBでさえ、そう思ったのだろう。
冬の川に、水を注いでいた。
 しかし、ドルは枯渇したわけではない。
ドルは、豊富に蓄えられている。
ただ春を待っているだけだ。
 FRBは、出口戦略をどう考えているのか。
こうした雪解け水をどう吸収させるのか。
株式市場で吸収させるのか。
不動産市場で吸収させるのか。
 国際政治学者の浜田和幸氏によると、
「2007年11月の時点で、
アメリカ政府の累積赤字は53兆ドル(約5200兆円)に達し、
会計検査院は、『救済の可能性はゼロに等しい』と、
財政破綻宣言を行った。
今年1月、累積赤字は65兆5000億ドル(約6400兆円)にまで膨れ上がっている。
 今や、アメリカの政府予算のおよそ半分が、
借金の返済に充てられている始末で、
とっくにデフォルトに陥っていても不思議ではない」(SAPIO 2009 3/25)

















































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